介護が必要になったとき、最初に整理しておきたいこと

介護
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介護は、段階的に準備できる場合もありますが、体調の変化や入院・退院などをきっかけに、急に現実味を帯びることもあります。ここでは「いますぐ結論を出す」より先に、判断に必要な情報を静かに整理するための順番をまとめます。

この記事は、life-point の編集方針に基づき、特定のサービスを推奨するものではなく、判断に必要な情報を整理することを目的として作成しています。


まず最初に:今いるのは「決める前」の段階でよい

介護のことを考え始めた直後は、情報が多すぎて何から手をつければよいか分からなくなりやすいものです。この段階で重要なのは、正解を探すことよりも「何を確認すれば、次の判断がラクになるか」を先に揃えることです。

介護は家庭の状況(距離・仕事・体力・人手)によって現実的な選択肢が変わります。早い段階で一般論の“答え”を求めすぎない方が、結果的に混乱が減ります。

整理の順番:この5つだけ先に揃える

最初に整理しておきたいのは、次の5つです。

  1. 本人の状態(できること/できないこと、見守りの必要性)
  2. 生活のリズム(日中・夜間、通院、食事、服薬など)
  3. 家族側の現実(誰が、いつ、どこまで関われるか)
  4. 緊急度(今日〜1週間で必要か、1〜3か月で準備すればよいか)
  5. 相談窓口(まずどこに相談すればよいか)

この5つが揃うと、「介護保険で足りるのか」「追加の支援が必要か」といった判断が、次の段階で自然に進みやすくなります。

① 本人の状態を“観察メモ”として言語化する

医療や専門用語を正確に書く必要はありません。まずは日常の困りごとを、短いメモでよいので言語化します。

  • 一人で立ち上がれるか、歩けるか
  • トイレ・入浴・着替えがどの程度できるか
  • 食事・水分摂取・服薬の管理が必要か
  • 認知面の不安(時間や場所が分からない、同じ話が増えた等)があるか
  • 夜間に転倒・徘徊・見守りの必要があるか

これらは後で、相談窓口や医療機関に状況を説明するときにも役立ちます。「何に困っているか」を先に言語化すると、制度やサービスの情報を見たときに取捨選択がしやすくなります。

② 生活のリズム(時間帯)で問題を分ける

介護の負担は「内容」だけでなく「時間帯」で大きく変わります。次のように分けると整理しやすいです。

  • 日中:通院、買い物、食事、見守り
  • 夕方〜夜:食事、入浴、服薬、就寝準備
  • 夜間:見守り、排泄、転倒予防、不眠への対応

「夜間がつらい」「通院の付き添いだけが難しい」など、負担の山がどこにあるかが分かると、次の選択肢を考えるときの基準が明確になります。

③ 家族側の現実を先に書き出す

介護は“理想の体制”から考えると、ほとんどの場合で無理が出ます。先に現実(制約)を書き出しておく方が、結果として続く体制になりやすいです。

  • 距離:同居か別居か(移動時間はどれくらいか)
  • 仕事:平日の日中に動けるか、在宅か、休める頻度はどれくらいか
  • 人手:関われる家族は何人か、役割分担は可能か
  • 体力・精神:睡眠が削られると崩れやすいか

ここで大切なのは、できないことを責めることではなく、「続けられる体制」を前提に考え直すことです。

④ 緊急度を分ける(今日/今週/今月)

課題が混ざっていると、全部が緊急に見えてしまいます。まずは緊急度で分けます。

  • 今日〜3日:退院直後、夜間の転倒リスク、ひとりにできない
  • 1週間〜:通院付き添い、日中の見守り、家事の負担が限界
  • 1か月〜:制度の利用、生活環境の調整、長期の体制づくり

「すぐ必要なもの」と「準備すればよいもの」を分けるだけで、焦りが下がり、判断がしやすくなります。

⑤ 相談窓口を一つ決める(情報は集めすぎない)

介護は、調べれば調べるほど不安が増えることがあります。最初は「相談窓口を一つ決める」だけで十分です。

  • 地域包括支援センター(地域の高齢者支援の相談窓口)
  • 市区町村の介護保険担当窓口
  • かかりつけ医・医療相談窓口(退院後の生活の見通し確認)

どこに相談する場合でも、上で整理した「観察メモ」と「家族側の現実」があると、話が早く進みやすくなります。

この段階で「決めなくていい」こと

介護を考え始めたばかりの段階で、次のことを無理に決める必要はありません。

  • 最終的に在宅か施設か(今すぐ決まらないことが多い)
  • 家族の役割分担の完成形(状況で変わる)
  • すべての制度・サービスの理解(必要になった分だけでよい)

まずは「困っている場面」と「続けられる体制」を整理して、次の一手を決めるだけで十分です。

まとめ:最初に揃えるのは“情報”ではなく“基準”

介護が必要になったとき、最初に必要なのは「正しい答え」よりも、次の判断をラクにするための基準です。

  • 本人の状態(観察メモ)
  • 時間帯別の負担の山
  • 家族側の現実(制約)
  • 緊急度の仕分け
  • 相談窓口を一つ決める

ここまで整うと、「何を優先するか」「何を外部に頼るか」を落ち着いて考えやすくなります。決める前に、考える材料を揃える。まずはそこからで十分です。


更新の目安:入退院があったとき/夜間の見守りが必要になったとき/家族の生活が変化したとき